2001年1月17日(水)

[阪神大震災2001-2]

今日は阪神大震災6年目.。
昨日書いたとおり太田ジオリサーチの太田さんに紹介された「都市大災害」河田恵昭著 近未来社出版について書きます。

この本では災害対策を多面的にとりあげており、提案された86のテーマをKJ法で分類、「社会的課題」「戦略的課題」「情報」「物理的課題」「社会的文化的背景・哲学」の5つに分類しています。更に災害発生前と後の対策に分けています。
これをみると建設業界の関わるところは対策の一部でしかありません。それほど災害とは広い範囲からの対策が必要になっているようです。

第7章阪神・淡路大震災「土木工学とミチゲーション」という項に、公共工事と土木技術者について提言が書かれています。

>社会ミチゲーションを、都市・地域環境回復のために過去の公共工事を見直し、適切に措置することと定義する。では望ましい都市・地域環境とはどういうものかが次に問題となる。そこで、災害に強い街作りを災害復旧・復興事業で、あるいは都市計画で考える場合、土木技術者には、確固たる自然観が必要である。これに基づいてまち作りを考えるのである。<<


更に土木技術者にはこう提言しています。

>地域防災の骨格がハードウェアであることは時代と共に変わらなければならないであろうが、環境の問題では、現状の土木工学は必ずしも解をあたえる学問体系となっていない。何よりまず建設ありきであり、マクロに考えた社会のあり方を必ずしも意識せずに行使されている。

しかしいま土木技術者に問われているのは、土木を通して、社会にどのように貢献しようとしているのかというその内容である。にもかかわらず、相変わらず、物を作ることを中心においた技術論が先行している。それが余りにも目立ちすぎるが故に、少なからず人々は、土木技術者は作っては壊し、作っては壊す、そのような職業人に位置づけてしまっている。

より良い社会の基盤作りが土木工学の目的であったはずのものが、いつの間にか、より良い社会とはどのような社会であるかの議論を傍らにおいて、物をつくることに専念しているような印象を与えている。既存の土木工学にはこのような思想を問うという内容がほとんど欠落している<<<<

僕は土木技術者でもないですし、土木技術についてまったっくしりません。僕にはわからない所もありますが、是非土木技術者の方には読んでいただきたい文章です。是非お知り合いの土木技術者の方にも上記を引用メールしてください。


ここに書かれている事を僕なりに考えてみると、経営学的に見ると土木技術者にもマネジメント・マーケティングの考えが必要であるという事をいっているのではないでしょうか。
あるべき社会をみつめるというのはマネジメントに必須であり、それを適切に提供するにはマーケティング活動が必須になります。
マーケティングの大家P・コトラーは「マーケティングとは営業活動・企業経営だけでなく非営利事業の運営・社会問題の解決にも利用できる」としています。

僕はこのサイトで何度も従業員であろうと、土木技術者であろうと経営者的考え方を持たなければならない事を書きました。それは技術者にも「構造物を作る方法」という技術者的考えだけでなく「より良い社会とはどのような社会であるか」という事を考え夢をもって仕事して欲しいという事でもあります。

今災害以外にも様々な社会問題が噴出しています。それを解決する役割をもっていた行政・政治は新たな対策を打ち出せず閉塞している状況です。

僕は、これだけ複雑化した問題を解決するのは行政・政治だけの力では無理だと考えています。

僕がそれを解決する人と思っているのは、経営者だと考えています。
経営者とは会社を経営しているとかそういう立場について言っているのではありません。今は従業員であろうが経営者的考えを持って仕事に取り組まなければならない時代です。

それはつまり仕事をする全員が社会問題解決のため行動しなければならないという事なのです。

仕事とは「問題を解決する行動」だと思っています。ビジネスとはそれを継続的に人のために行うことだと思っています。

ドラッカーは、マネジメントとは「顧客の創造」、「イノベーション」を行う活動としています。これは僕流にいうと「困っている人を見つけ、問題を解決してあげる」そういう事ではないでしょうか。


ビジネスとは「社会問題解決を継続的に行うこと」だとしました。よく仕事がない仕事がないと言われています。ITが導入されて仕事がなくなるとかそんな話も聞きます。しかしそれはもう既に解決されている事を仕事としているからではないでしょうか。

解決されていない課題はちょっと考えれば沢山みつかります。仕事をするチャンスは沢山あるはずです。



2000年1月16日(火)

[阪神大震災2001]

本日は阪神大震災の前夜にあたります。私は実家が神戸で被災し現場を見ましたが、いままで阪神大震災についてあまり書きませんでした。それは自分自身消化できずなんといっていいのか解らないというのが正直なところだったからです。

しかしいつまでも消化しないでほっとくわけにもいきませんので、本年から積極的にこの手の本などを読み発言していこうと思っています。
このサイトの目的にも阪神大震災という言葉を入れる事にしました。

昨年末からWEBや本を読もうと調べているのですが時間がたったせいか数が少ないように感じます。特に建設業界からの考え、反省点、これからの展望などの文章には出会えていません。(所在を知っている方は是非教えてください)

そこで自分なりに考えてみることにします。

建設業界と震災など災害の関係ですが、「災害が起これば仕事が増える」という関係にあります。防災など事前対策も、修繕など事後の対策も建設業界の仕事です。
災害が起これば儲かる訳ですが、これを言うとどこか後ろめたい感じがするようです。人の不幸で儲けているような感覚ですね。
僕もこのページで震災の事をかきまくることに抵抗がありますが、それはなんだかそれを売りにして儲けていいのか?という後ろめたい気持ちがあるからです。

いい事して儲けるのがaBUSINESSという言葉の意味なのですが、よく考えてみると、復旧工事・防災工事・震災についての提言をちゃんとする事は良いことなので別に儲けても後ろめたくなる必要はないですね。儲けすぎとかの問題はあるかもしれませんがそれはまた別の要因(競争・コスト)などの問題です。

「日本の建造物の耐震性は高い」これもよく言われる所です。明日紹介する本に書かれているところによると「土木技術者は、技術力によって耐震性を高めることが災害対策のすべてと考えがちだ」とあります。

社会性、事後のヒューマンウェアなど土木技術以外の対策がもっと大事との指摘ですが、それ以外にも構造物の価格、復旧工事の設計施工スピードなども災害には重要なテーマです。

社会性という問題はボランティアなどNPOの話になりますが、建設会社の営業マンは社会と対話して営業しているわけで建設会社も深くかかわる問題です。

建設業界と災害というテーマで考えると、とかく土木工学といった技術の問題に話が行きがちです。しかし建設業界の技術者だけでなく、営業(マーケティング)、経営というところをもっと深く考えなければならないのではないでしょうか。

そういった視点から問題を見ることにより建設業界の経営も違う視点で見えてくるような気がします。

太田ジオリサーチの太田さんに推薦されて「都市大災害」河田恵昭著近未来社出版を読んでみました。この本は都市災害、巨大災害の研究成果を本にしたので、阪神淡路大震災で露呈した課題と提言が書かれています。明日はこの本から面白いところを紹介します。



2001年1月15日(月)>>

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