2001/11/1(木)

今日は、おとといの続き「仕事を速くする」について

[仕事の可視化・標準化]

人によって仕事内容は異なるのでしょうが、私の場合、注文があってそれから仕事を開始する受注生産方式になっています。
受注→計画→作成→提出→納品・請求

と流れます。始まり納期が決まっており遅れは許されませんが、どのように仕事するか、いつするか私が決めます。建設業の場合もゼネコン側は同じように流れています。

>>(プロジェクトとは)開始時点と終点時点のある一時的な活動で、ユニークな成果物を限られた資源で作成するもの<<

国際標準プロジェクトマネジメントPMBOKとEVMS
能澤徹著ではこのように定義しています。

私の場合、「経審申請してください」「株式会社を作ってください」「建設業許可を申請してください」といった仕事をするのですが、それぞれの仕事は個性的で前と全く同じという事はありません。

しかし基本的な仕事の流れは同じように流れます。お客さんと打ち合わせして、お客さんに必要物を用意してもらって、作成して、提出して〜という具合です。打ち合わせする前に提出したり、作成する前に納品したりすることあり得ません。

となると一度計画した仕事の計画は、別の仕事にもある程度流用することができるはずです。

たとえば経審申請の場合、26の個別仕事に分解する事ができます。(以下タスク)タスクの順番は基本的に同じです。いくつか順序変更可能な物もありますが仕事の標準化を考えれば同じ流れでやる方がベターです。
<業務の標準化>

各タスクに掛かる時間も前やった仕事に似ているケースが多くありますのである程度見積もることは可能です。

そうであるならMS-Projectなど工程管理ソフトを使い前に作った計画ファイルを調整すれば直ぐさま細かな将来の計画を立てることが可能になります。
<詳細計画作成に時間が掛からない>

工程管理ソフトを使うとスケジューラと違い、予定が遅れればそれに沿って次工程も遅らせる進捗管理が可能になります。
<再スケジュール可>




<MS-Project カレンダー画面>

工程管理ソフトを使って「詳細計画立案時間」「再スケジューリング」という二つの問題を解決できました。更に自動的に仕事の流れの可視化・標準化も可能になります。



<MS-Project ガントチャート画面>

このようにスケジュールが書ける体制になり、仕事の流れが可視化・標準化出来るようになれば次はいよいよ計画を色々変更して「早く」する方法を考えられるようになります。
やっと本に書いてあることが役立つ段階まで来ました。
続きはまた、


PS.工程管理ソフトのスケジューリング方法を読むと「各タスクの所要時間を正確に見積もる」というセリフが出てきます。しかしこれあまり意味がないので大体でいいでしょう。大体できれば十分(理由は後述)


2001/10/31(水)

今日も仕事を速くする方法掲載しようと書き上がっていたのですが、現代思想『ポストモダンの宿命論』渋谷望著読んでしまいました。

こういった哲学みたいなのどうも好きではありません。吉本隆明とか苦手です。
読んでみるとジムジャームッシュの話などでていました。なんだか書かざるを得ないPUNKな気持ちがムクムクと出てきたので書いておきます。

このHPや建設業とは全く関係なく、紹介頂いたテーマとも全然関係ありません。ただただ嫌だったというだらだら感想文です。
現代思想読んだ人以外は読まない方が無難です。m(__)m
こんなのが好きなPUNKな読者さんもいるようですが、、、

[ポストモダンの非宿命論]

ポストモダンというのは80年代の文化を指すようですが、私は1985年が15才、中学生からカウンターカルチャーに染まったポストモダン世代という事になるようです。

最近は80年代が若い人にも流行っているようで、キースへリングの絵を最近よく見ます。この間20才の人からはインディディーズ御三家(ラフィンノーズ、ウイラード、有頂天)なんて言葉を聞き驚きでした。ホントに流行っているんですね。

日本で80年代カウンターカルチャーは、初期スターリン・JAGATARA・町田町蔵→中期インディーズ御三家を中心とするインディーズブーム→ブルーハーツ・イカ天と流れていきます。

アメリカではリチャードヘル・テレビジョン・パティースミス等NYPUNKからデットケネディーズ等ハードコアーPUNK、ソニックユース。パブリックエナミーなどHIPHOP,RED HOT。

イギリスは、PUNK、ニューオーダーなどからどんどん見るべき物なくなりますが、マンチェスタームーブメントで爆発します。

映画はジムジャームッシュ・デビットリンチ・ビムベンダース等。

こういった世代で、私もラフィンノーズ・スターリンのコピーバンドなんぞやっていたわけでポストモダン世代なのでしょう。

さて渋谷氏の論文ですが、はっきりいってかなり的をはずしているのではないでしょうか。私の主観から言わせてもらえばずばり格好悪い。

まず文章がいかにも60年代70年代的文章、やたらに漢字ばかりの堂々巡りの哲学論。
スターリンの「共産党宣言」という歌がありましたが、これマルクスエンゲルスの共産党宣言をPUNKのリズムにのって謳うという代物。自分のバンドでもやったのですが、これ共産主義者といった事でなく漢字ばかりの意味不明をバカにするという歌です。
SEX PISTOLSが「I am anarchist」と歌って始まった
意味のないアナーキーズムなのです。

>>(ポストモダニズムは)絶対主義システムのヘゲモニー批判、権力批判としてのみ「ラディカル」である。<<ポストモダニズムの光と陰 藤本一勇著

80年代のラジカルは、エリート思想、権威主義などを無視せず、はっきり否定します。70年代と違うのは無視しない所。私は現場主義という言葉好きではないですが、エリート思想・権威主義というのはもっと嫌いです。

どうもそんな臭いがする文で読んでて嫌でした。だいたいポストモダンを文章で説明するなんて事自体がポストモダンでない。聞いたり見たりして感じるものだと思う(小説は別)

更に未来を予測し得ないというカオスな現実について色々書かれています。「自己責任でやれ」と「安定性放棄せよ」というのは矛盾しているというのは最もなのですが、

>>自己責任言説がハイテンションな自己啓発に結びつくことはきわめてまれである<<

というのはいかがな物か、、
現実は複雑だという複雑系は、90年代アメリカのニルバーナ等グランジ。大阪のボアダムズ・非常階段などノイズといったカウンターカルチャーに続きます。

色々な科学の分野も、方程式で解けない現実を受け入れて新しい挑戦をしています。金融工学・TOCしかりです。

>「必ずしも、いかにリスクを避けるのかという専門家のアドバイスは、災害からの加護を保証していると見なされない。宿命が入り込めば、予防行為は役に立たないとみなされる。」 
リスク社会論に宿命論の回帰を見いだすことはたやすい。<<
『ポストモダンの宿命論』渋谷望著

科学が人間が進歩するという事を考えればこれはいかにもおかしい。
私の読んだ専門家はリスクを避けるアドバイスはしません。

「金融工学、こんなに面白い」野口悠紀雄著では将来の株価を予測することはできないと言い切った上でオプション取引など保険をかける事を説明しています。リスクを受け入れて対処するのです。

更に現代がリスク社会になったということ事態否定しています。大昔からリスク社会、今のリスクはむしろ減っているという話です。

TOCクリティカルチェーンでは、PERT等で正確に時間見積もりすることを否定し、100%ではなく50%程で出来る時間見積もりでスケジュールを立て安全バッファー(余裕時間)を設けることで複雑性に対処する事を提案しています。

従来の方程式では解けませんが、複雑を受け入れて新しく考えれば対処方法はあり得ます。決して宿命論に回帰しません。

どうも哲学、社会学などの考え方は「人間の面」ばかりみていて「技術の面」を見ておらず好きになれません。いつも堂々巡りで進歩のない業界だからじゃないでしょうか、、

今の矛盾を明確に指摘する意思があれば、もっと考えて書いたのですが、、、


>>(ポストモダニズムは)絶対主義システムのヘゲモニー批判、権力批判としてのみ「ラディカル」である。しかしこのような絶対主義システム批判は今日では「わら人形」的であるし、新自由主義的世界資本主義には適応できない。かえって市場の論理に回収される恐れが強い<<ポストモダニズムの光と陰 藤本一勇著

これはムムム。


2001/10/30(火)

[仕事を早く-WBS]


昨日仕事を速くする事と、品質を維持する事が両立できるという事をかきましたが、具体的に仕事を速くするにはどうしたらいいでしょう。

自分も仕事速く終わってさっさと帰りたいと思ってます。
最近の目標は「今の仕事を昼までで終わらして、昼からは新しい仕事をする」そんな事を考えています。工期半減ですね。

もちろん品質を落とせませんし、他の人にやってもらうといった幸せな選択肢もないのでなんらかの工夫が必要です。
そこで色々な本を読んでみました。ここしばらくはこのコーナーで色々な本に書かれていることを自分の考えを交えてまとめていこうと思っています。

[Work Breakdown Structure:問題点の指摘]


色々なやり方が書かれていましたが、まず共通するのは仕事がどうなっているか全体像を知っていなければならないという事です。
仕事の流れがわかっていなければどこにムダがあるのか、改善方法があるのかないのか解りようがありません。図などを使って仕事の流れをモデル化・可視化しなければなりません。

普通自分の仕事は手帳で管理されています。「○○日に○○氏と会う」といった事が書かれます。仕事に関係する人全ての手帳を見合わせれば過去の仕事の流れを全て把握できそうです。

しかし実際には、手帳には○○日に誰々とあう、○○日締め切りといったことばかりかかれてあり、肝心の仕事をしているプロセスタイム部分が書かれていません。

営業マンや経営者のように仕事のほとんどが人と固定した時間に会う事という場合は手帳から仕事を見渡せますが、技術者や設計者・経理・総務といった人の手帳はガラガラだったりします。手帳はガラガラだが酷く忙しい状況だったりします。

DIPS運動」小林忠嗣著によると、どんな職種の人でも「30分毎にスケジュールを立てておかないと生産性が落ちる」と書かれています。

この本を読めば仕事を計画せずやっつけ仕事を繰り返している自分の様な人がかなり多いのがわかりますし無計画な仕事が如何にムダであるかがわかります。

まずは仕事の計画を立てて見えるようにしなければなりません。

では実際に30分毎にやることを書いてみるとどうでしょう。一応手帳に書き込むことはできます。人によって仕事内容が違うでしょうがなんとか数日間は書き込めるでしょう。

朝出社して次の日のスケジュールを書き込むといった事を続ければ、立派なスケジュール帳になるでしょう。
しかしそんなことしてられません。めんどくさいのです。計画を立てるのに時間が掛かって実際の仕事が遅くなったら意味がありません。
(詳細計画立案に時間がかかる)

しかも以前書きましたが、予定を立てて仕事をしていても、突然お客さんがきたり、新しい仕事頼まれたりしてスケジュール変更が何度もおこります。スケジュール変更のたびにスケジュール帳を消しゴムで消して書き直すなんて事できるでしょうか。(再スケジューリング難)

世の中は教科書に書かれているように決まり通りには動いていませんし、将来を正確に予想することは不可能です。複雑性を前提にしておかなければ現実には使えません。


この問題は手帳でなくても、スケジューラーソフトのオーガナイザー、アウトルック、グループウェアのスケジューラー等どれを使っても同じ事になります。

日本LCAから発売されているDIPSWAREを使えばなんとかなるかもしれませんが、いかんせん高い(T_T)


最初から苦しい事態になってしまいました。なんらかの工夫が必要なようです。


参考:aBUSINESS研究所「DIPS運動」

01/10/29(月)

[仕事を早くする]


企業が競争にうち勝つためには「早い、安い、うまい」物を提供しなければなりませんが今日は「速い」について

早く工事をする、早く設計をする、早く書類を作る。早くすれば競争にうち勝てそうだと直感的に思えます。

早くすると、支払が早くなって資金繰りが楽になり、時間に依存するコストも削減出来ます。早い施工能力が緊急工事などにいき受注のポイントになることも十分考えられます。

しかし「早く」すれば本当にただそれだけでいいのかという感覚も直感的に覚えます。
「早く」を重視するとしても「安い、うまい(価格・品質)」は今までを維持しなければ競争に勝てません。速くするため手を抜いて品質を落としたり、突貫工事をしてコストを上げても目的は達せられません。

「早く(納期)」と「うまい(品質)」は両立出来ないように感じます。

この関係を(目的)(必要条件)(前提条件)と整理して対立解消図で考えてみると

(目的)競争にうち勝つ←(必)納期を早める(前)速く仕事をしなければならない

(目的)競争にうち勝つ(必)品質を維持する(前)ゆっくり丁寧に仕事する

このように対立解消図が書けます。「ゆっくり丁寧に仕事する」と「速く仕事する」は同時に両立できそうになく矛盾しています。

対立解消図では(必要条件)(前提)といった関係が本当にそうなのか改めて考えなおし対立をなくすアイデアがないか探す事を目指します。
「ゆっくり丁寧に仕事すれば→必ず品質が上がる」といった事は本当か今一度考えてみる事になります。


ところで仕事のスピードはSPQWの4つの時間に分けられます。
Sセットアップタイム
Pプロセスタイム
Qキュータイム
Wウェートタイム

例えば喫茶店でモーニングセットを作るとします。(珈琲とトーストのセット)早く作れればお客さんに早く食べてもらえ喜ばれ(CS向上)お客さんは早く席を立つので店の回転率は高まります。(スループット向上)
従来作るのに5分掛かっていたとして、もっと速く作れないか検討する場合、全体の作業時間を上記4つの時間に分解して考えてみます。

S:まず珈琲を作るため豆を用意し、お湯をわかさなければなりません。これがセットアップタイムになります。準備時間・段取替時間です。

P:ドリップして珈琲を作ります。この時間がプロセスタイム。本作業時間です。

Q:前のオーダー(珈琲)がドリップしていれば作る作業は一旦待たないといけません。これがキュータイム。能力待ち時間

W:トーストを作る時間が珈琲より多く掛かるなら、トーストが出来てトレイにのせて運ぶまで珈琲はまっていないといけません。これがウェートタイム。合流待ち時間。

このように4つの時間に分解できます。

速く仕事をする事を目指すと珈琲の入れ方といったプロセスタイムに目が行きがちです。しかしセットアップタイム・キュータイム・ウェートタイムがかなり掛かっているケースは良くあります。

「丁寧に仕事する」というのは珈琲を丁寧に入れるといったプロセスタイムについて言っているわけですが、トーストを待っている時間ウエートタイム等SQWタイムは品質と関係なさそうです。

「SQWタイムのムダをなくして仕事を速くする」


こういうアイデアを対立解消図に注入すれば、「品質維持」と「納期短縮」両立可能になります。

SQWタイム短縮アイデアを導入して工期短縮を目指すなら、個々の各作業員時間短縮努力や機械導入が工期短縮の課題ではなく、SQWタイムがどこにどれだけあるか?どうすれば短縮できるかを考える「工程管理者」の能力が問題であると根本的な考え方の変化が起こってきます。



01/10/26(金)>>

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