マネジメント生産性
作成日 2001/6/12
改訂日 2001/8/12
Ver.1.5

マネジメントコスト
「コンピューターに対する支出とビジネスの収益性は、実は何の相関もない。」と結論づける「コンピューターの経営価値」ポールAストラスマン著.

書かれたのが古くITというよりコンピューターという感じですがITはマネジメントの生産性を上げるためのものであると定義し、測定方法MBOを提案しています。

そしてこの本の根本的な思想を表す一節

>>>発生した利益のすべては、資本や労働ではなく、マネジメントによるものであるという考え方は、従来の経済学とは発想を異にするものである。
投資や価格の意志決定を行うのが"マネジメント"であり、従業員を動機づけるのも"マネジメント"である。製品や市場の戦略をたて、顧客に製品を届けるために、購買、生産、流通を管理する。有能なマネジメントはより安い利率の資金をより多く調達してくる。

現在の社会における希少資源は、資本や技術ではなく"マネジメント"なのである。今こそこれを明確に測定するテクニックが必要になっている。マネジメント生産性は間接的にマネジメントについて語ることしかできないこれまでの財務指標で表すことは絶対に出来ない。

この概念の基盤となる理論は、厳しい競争の中で生き残りを書けている企業にとって、情報処理(すなわちマネジメント)における無秩序は許されないと言う事実である。
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この前提に立ちマネジメントの生産性を測るため、

マネジメント付加価値÷マネジメントコスト=マネジメント生産性

MBOという指標を提案しマネジメントの効率化を提案しています。
そしてITはマネジメントコスト削減に有用という事です。

マネジメントコストの計算

ではマネジメントコストとは何かという事になりますが、この本ではコストを購買費、資金コスト、オペレーションコスト、マネジメントコストの4つの分類で定義しており、売上高からこれらのコストを差し引いた差額をマネジメント付加価値としています。

マネジメントコスト、オペレーションコストという分類は会計にはありませんが、顧客に物、サービスを提供するのに必要な直接製造費、営業マンの給与などをオペレーションコストとし、それ以外のコスト(経営者の給与、管理者の給与、マネジメントに使う情報システムコスト等)をマネジメントコストとしています。

この本では優良な企業とはマネジメントが良い企業としており、リターンオンマネジメント(ROM)=マネジメント付加価値÷マネジメントコストの値が大きい企業が良い企業としている所が注目点です。

これを日本の建設業会計に当てはめて計算すると以下のようになるでしょうか。

・マネジメントコスト=役員給与+管理者給与+一般管理費

・マネジメント付加価値=完成工事高-完成工事原価-資金調達コスト-直接販売費-マネジメントコスト


オペレーションコストは、原価中経費、販売員給与、販売費になると考えました。資金調達コストは、金利及び自己資本調達コストも含まれます。

情報システム導入により、マネジメント付加価値を増大させる、マネジメントコストの減少をはかることができれば投資効果のある情報システム導入成功という事になるでしょう。

こう考えると、ROMを上げるためにはただ情報システムを買えばいいという結論にはならないのは当然ですし、情報システムの投資効果を在庫削減効果、事務員給与の削減効果といった所に求めるのも間違いという事になります。

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