もう既に改革は始まっている
作成日 2001/6/21
改訂日 2001/7/21
Ver.1.5

CI-NET/C-CADECシンポジウムのパネルディスカッションが「建設しんこう」No.306に掲載されています。この中で国土交通省の石川卓弥氏(総合政策局建設業課入札制度企画指導室課長補佐)が非常に興味深いことを言っています。
引用していくと長くなるのでやめますが、国土交通省では建設業の問題は、

・建設業は低生産性・不透明性という問題がある
・重層下請構造による不透明性を利用して、競争力のないマージンだけを抜く業者がいる
・それを排除するためには、発注者・当事者の情報収集力を高めるオープンネットワークが必要。
・CI-NETはその一つ

このように考えているようです。さらに

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日建連加盟上位10社合わせてもシェアー12%程度。建設業界は分散しているのでスーパーゼネコン主導のプロトコルを作っても標準にして広めることができない
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このような背景があると認識しています。

そこでCI-NETを普及させるためには以下の3つを考えているようです。

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一つはCI-NETの標準について、必要に応じて国費を投入していきたい
二つ目は、規制緩和です。
三つ目は、公共工事の入札契約、これをもっと競争的にしなければならない。
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入札制度を競争的にする必要があるとはっきり言っています。

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調達をIT化するということは、コスト競争力というものを非常に意識されているんだと思うんです。しかしながら、建設業の場合、特に指名競争入札などにおいては、コスト競争力を十分意識させるほどの競争という物が確保されているのかどうか。ほんとうに赤字が出ないぐらいに低い額を提示できるぐらいのコスト競争力をつけていかないと、ほんとうに受注できないぞというような危機感を持っているかどうか。
それを持っていないとなかなかIT化というものは進んでいかないと思っています。
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この発言を読んでいるともう国土交通省としてはどのように入札制度を変えていくか基本的な考えはまとまっていると考えて良さそうです。


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国土交通省は、これまでのご努力にとにかく報いなければならんと。報いるとはどういう事かと言うと、やはり建設産業の隅々までネット取引を行き渡らせる。そのように考えております。
(中略)
情報が限られていることをいいことに、ブローカーのように立ち回って施工体制に入ってくるような業者がどんどん中抜きされ、それで非常にクリーンなものになっていく。そうなっていかないと我々も困るのわけです。
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入札制度企画指導室の方がここまでいいきっているのはなんだか恐ろしいとも思うのですが、これから入札制度を競争促進の方向で変革していくことになると考えておいた方が良さそうです。

こうなると経済施策、雇用対策と公共工事の整合性をどうするのかという話になります。いままでセーフティーネットとしての役割を持っていた公共工事をどうするのかという事ですが、それは国土交通省が考える事ではありません。経済産業省と厚生労働省の役割になります。

経済産業省にある中小企業庁が中小企業施策を担っていますが、こちらは既に昨年中小企業基本法を改正して、中小企業のとらえ方、施策のあり方を従来の方針から変更しています。
「中小企業を一律保護」という視点から「成長しようとする中小企業への支援」という視点への大転換です。既に創業支援など施策は目白押しで行われています。

厚生労働省の方は、派遣業・職業紹介業の規制緩和など雇用の流動化施策、教育への助成金の充実といったエンプロイアビリティ充実の施策が行われています。

また経済を支える金融の方は、金融ビックバンが行われておりナスダックジャパン、マザーズ、金融機関の統廃合など着々と金融市場の改革が行われています。

今小泉政権の話で「改革するのかどうか」の話が色々でていますが、これらの施策を見ていくと、日本型社会主義経済から日本型資本主義経済への転換に必要な施策は既に準備出来ているように感じます。

あとは時の政権が決断して予算編成を行えば変革はなされることになるでしょう。
それがいつになるのか解りませんが、この環境変化にどのように対応していくか経営能力が試される時期はすぐ目の前に来ているのは間違いなさそうです
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