「21世紀の建設市場の見通しと建設産業のあり方」規制改革
作成日 2001/6/21
改訂日 2001/7/21
Ver.1.5


日建連の発表した「21世紀の建設市場の見通しと建設産業のあり方」読んでみました.。具体的なテーマについて提言しており面白い物になっています。

建設投資20%以上減少・維持修繕への質的変化するとの予測を示し、これにたいし規制緩和提言では「いきすぎた中小保護の見直し(官公需法の見直し)」雇用対策では「業者保護ではなく労働者保護」と提言しています。大企業はもう我慢できないといった感じでしょうか。

第3章「市場原理に基づく競争促進と規制緩和」建設業許可・経審について提言が行われています。これは自分の専門なので少し感想を

>>建設業許可制度の改善について、
許可制度は顧客及び下請の保護の観点から、不適格業者を排除するために必要であるとともに、当面は許可要件を厳格化すべき<<<

ずばり反対です。参入規制を撤廃する方向で考えるべきだと思います。幾ら規制を強化しても不適格業者を排除することは出来ないと思います。市場原理を導入して不適格業者排除を行う。経審・工事実績評点公表・商法改正(インターネットを使った企業情報ディスロージャー等)を利用して市場へ情報提供するべきだと思います。


>>>特定建設業許可基準について
適正な建設工事の確保をより確かなものとするために、自己資本の絶対額の基準を大幅に引き上げるべき<<<


これも反対です。基本的に政府の規制によって判断するのではなく、市場に任せるべきです。そのために経審・商法などを大幅に改正すべきだと思います。


>>>経審について
技術者の人数だけでは企業の保有技術の程度が評価できないため、技術者の人数に加えて新たな評価指標の導入を図るべき<<<


賛成です。新たな指標として特許保有数、技術士の評点割合増加などが提案されています。財務評価(経審)と技術評価は別個にしてもいいのではないでしょうか。

>>>経審・経営状況分析について
より公平な企業評価の実現に向け、国際会計基準への準拠を企業へ義務づけて基準を統一すると共に、会計監査を義務づけるべきである<<


これは賛成です。しかし現実難しいでしょうね。財務諸表を法務局に提出閲覧可能にする商法改正の話や、監査制度を導入して直接金融を促す話がありますのでその辺りと一体になった議論が必要でしょう。

>>>ランク制について
競争を促進し、わが国の建設産業全体の競争力を高めるため、ランク制の運用にあたっては、食い下がりを認めるなど、弾力的運用を図るべき<<<


賛成ですが、ランク制自体問題有りだと思います。段階的に規制緩和という事でしょうか。


>>>>主観点について
主観評価は、経審では表せない工事成績などを評価する物でもあり、企業評価における技術力重視を進めるためにも、情報公開を前提として、主観評価のウエイトを引き上げるべきである。
また、発注機関間での評価基準の統一を図ると共に、工事成績等の情報共有化が求められる<<<<


賛成です。
発注者責任懇談会の提言はどうなっているのでしょう。コリンズと合わせ早急に行う必要があると思います。評価基準統一は現状の発注者のレベルのばらつきを考えれば当然です。

>>>>経審の経営状況分析について
民間格付機関による企業評価を経審の経営状況評価に活用することを検討すべきである<<<

基準などをオープンにする事前提で賛成です。これは国にしろ民間にしろどちらが安くできるかという点だけがポイントだと思います。監査の関係を考えると国でやるのもいいかもしれません。
ボンドについても書かれていますが景気によって判断が大きく変わるのであまり良くないのではと思います。

>>>第3章 保護政策からの脱却
地元要件の緩和・撤廃
地元要件は原則として廃止すべきである。また少なくとも補助事業については地元要件を禁止すべきである。<<


賛成です。

>>第4章雇用問題への対応
業者保護ではなく労働者保護という観点での取り組みが重要である<<


当然賛成ですね。雇用問題と業者保護がごっちゃになっている現状は問題ありです。

このレポートでは大企業対中小企業という感じが感じられます。現状の経審・ランク制というものがいかに中小企業を保護するために存在している事を理解できるレポートです。

これからどうなっていくかは解りませんが建設業界の改革は、最終消費者(市民・住宅購入者)にとってメリットのあるものでなければ意味がありません。価格低下・新技術導入が促進される改革であるべきです。

・新しい技術を持った中小建設会社の参入機会増大
・スケールメリットを生かした価格競争の促進(大企業参入規制廃止)
・市場の評価の正確性・迅速性・透明性を高めるための法改正・IT活用


この辺りが重要なポイントではないでしょうか。
地方対都市・大企業対中小企業といった議論がこれからどんどん出てくるでしょうが、そんな事ではなくもう一つ目的展開して次の時代を考えておかないといけません。

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