資本の民主化
作成日 2001/4/25
改訂日 2001/8/25
Ver.1.5

日経ビジネスの特集「シリコンバレーは死んだか」この中に「資本の民主化」という言葉が出てきます。


>>株式を公開している企業だけではない。シリコンバレーの未公開ベンチャーへの資金供給経路も90年代に入って格段に拡充された。機関投資家は未公開株式に対する投資ノウハウをマスターし、VCを通じたベンチャー企業への投資が一般的となった。ゲートキーパーとよばれる専門機関が機関投資家の投資方針に沿ってどのVCファンドを選べばいいかアドバイスするなど、ハイリスク投資に対する環境整備が進んだ、こうした構造変化を「資本の民主化とよぶ」<<

バブル崩壊後の日本と、今のネットバブル崩壊との違いを説明する文の中の一節ですが非常に興味深い話です。

1992年アメリカでの銀行資産66%、投信残高34%という割合だったのが99年には43%-57%と逆転しています。

この流れにより、企業の資金需要は銀行から投信へシフトしました。このことを資本を銀行に支配される時代から民主化されたと読んでいるわけです。


事業を行うためには必ず資金調達をしなければなりませんが、資金が銀行に独占されていると、当然銀行の方針で資金供給がなされることになります。
銀行側から考えると顧客である預金者は、「金利は低くていいから確実に運用してくれ」という事を望んで銀行に預金します。当然銀行は顧客志向の立場に立てばローリスクな貸出先にしか資金運用できません。よって結果的に銀行は担保主義により貸出を行うことになります。
こう考えると「銀行マンはバンカー精神をもて」という言葉は無理な話だという事になります。


経済学で言う市場メカニズムが働くには、多くの生産者が現れ、多くの消費者と自由に取り引きできる完全競争社会が前提とされています。
多くの問題に対するためには、多くの挑戦者の確保が必須ですが、ハイリスクな挑戦を行おうとしても資金調達できない、ローリスクな計画でも担保がなければ挑戦できない。資金は銀行に独占され、経営は担保を持つ者に独占される。今の日本はそんな社会です。


日本は現在銀行資産94%、投信残高6%。資金のほとんどを銀行に独占されている状態です。資本の民主化をどう押し進め挑戦する者を増やすのか、ここが重要な問題です。

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