ネットワーク効果の虚実
作成日 2000/6/27
改訂日 200/12/27
Ver.1.5

Eビジネス勝者の戦略(東洋経済出版社)掲載「ニューエコノミーの最大の神話」は刺激的です。
「ニューエコノミー」とは「オールドエコノミー」と対比されて使われる言葉でデジタル社会の経済論を象徴する言葉になっています。アメリカのIT株高を肯定する根拠になっています。
ここではニューエコノミーの中枢理論として「モア・イズ・モア」という公理が紹介されています。旧来の経済学では「希少性」から価値が生まれるという前提があったわですが、これが「多い程いい」という前提へ変わっている事、これこそニューエコノミーを支える理論だそうです。

たとえば、オールドエコノミー論では「ダイアモンド」が「瓶詰め空気」より価格が高いのはそれが少なく希少価値があるかららしいですが、ニューエコノミー論では前提が変わっています。

紹介されているのはFAXのケース。世の中にFAXが一台だけでは何の価値もありませんが、2台になると価値が出てきます。3台になると更に価値がでてそれは指数関数的に増大していくそうです。多ければ多いほど価値が高まるわけです。他には無料配布しているインターネットエキスプローラー、アウトルックエキスプレス、JAVAなどが上げられています。

しかしFAXはかなり普及していてファクシミリネットワークの価値は増えていすが、利益を上げられるのは「機器の販売」と「電話料金」のみ。FAX機器販売メーカーが大もうけしているという事はないそうです。FAX機器販売のベンチャー企業の株が鰻登りなんて聞いたことありません。

結論として、「キャシュフローは結局キャシュフローである。無料商品をいくら提供したところで、最終的に資本投資に対する利益を得たいという投資家をごまかすことはできない。利益が実現されなければ、ニューエコノミーはその実体をさらけ出すことになるだろう」としています。

僕は、上記の話ところどころ納得行かない事もありますが、この話を読んで最近のIT話が変だなと思う理由が分かったような気がします。
もしかするとマルチ商法と変わらない部分があるのですね。。。。
IT革命=マルチ商法。なんてめちゃめちゃですが、キャシュを生み出すIT投資を行わないといけないのも事実だと思います。IT屋さんではない僕らはその辺を冷静に考えておかないといけないのでしょうね。「先行投資」って言葉もどうもなぁ。。。

まぁ最近はマルチ商法もマルチレベルマーケティング(MLM)と言ってもてはやされていたりするわけで、世の中どうなるのかわかりません。
あ、逆に考えると「モア・イズ・モア」の公理に従っていれば今のところ株価は上がるということか。

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