設備投資の経済性計算
作成日 1999/5/2/28
改訂日
Ver.1

建設業者が建設CALS/ECに対応するためには、必ず投資を行わなければなりません。パソコンやネットワーク機器、CADなどの設備とそれらを管理する人です。設備の購入は、一度投資すると辞めるわけにいきませんし、資金を固定化するため経審の分析新指標固定長期適合比率などへ悪影響を与えます。このため慎重な判断が必要になります。
具体的な注意点は
1.設備投資の優先順位を明確にする
2.将来の需要予測を的確に行う
3.資金計画を立てておく
4.科学的な意志決定を行う
 
などです。今回は新たな設備に投資する場合の科学的な意志決定ってどんな方法があるのか紹介します。
 
●回収期間法
回収期間法とは何年で投資した資金を回収できるかを計算して2つの投資案のどちらが良いかを選択するものです。投資額と予測利益が分かっていれば回収できる期間は、投資額÷利益で求まります。利益には、当該投資で発生する減価償却費を含めて考えこれを年間キャシュフローとよびます。
   
年間キャシュフロー=利益+減価償却費
回収期間=投資額÷年間キャシュフロー
 
●正味現在価値法
 
耐用年数5年のものならばその5年間の利益の合計が投資額より多ければその投資は成功と言えます。2つの投資を比べる場合にはその差額が多い方を選べば良いことになります。

    価値 =キャシュフローの合計額 - 投資額
 
しかし今年の10万円と5年後の10万円は、同じ価値ではありません。5年間10万円を銀行に預ければ利息が付きますから、資金を長期的に固定する設備投資には将来の現金価値も含めて考えておかなければなりません。これを考慮に入れる方法を正味現在価値法といいます。この方法の方が回収期間法よりも正確に考えられます。利益と減価償却費を加えた年間キャシュフローの合計を今の現金価値として求めるには、キャシュフローに年金原価計数というものをかけ込むことによりもとめられます。
 
 
●2つの設備を買う場合
 
ちょっと複雑なので例として2台の設備を買う設備投資の選択をしてみます。
 
  投資案a 激安 投資案b 高価
取得価格 150,000 300,000
耐用年数 5 5
投資利益額 10,000 30,000
 
資本コスト10%で年金原価計数は3.791とする
定額法減価償却費はa案は1年に3万円 b案は6万円とします。残存はなしとします。
 
●回収期間法
     激安のa案  150,000÷(10,000+30,000)=3.75
   高価なのb案  300,000÷(30,000+60,000)=3.33・・・
この様に計算するとb案の方が早く投資資金を回収できるので高価なものを買った方がいいと結論づけられます。
 
●正味現在価値法
     激安PCのa案  (10,000+30,000)×3.791 - 150,000 =1,640
   高価なPCのb案  (30,000+60,000)×3.791 - 300,000 =41,190
b案の方が正味現在価値が多いので高価なものを買った方がいいと結論づけられます。回収期間法より正味現在価値法のほうが正確に把握できます。
 
●利益が分からない
 
上記いずれの方法も現実には、減価償却費の残存価格、税金など他の要素が色々からみ複雑な計算が必要になります。しかし最大の問題は正確に利益を把握しなければ計算できないと言うことです。様々な利益予測方法がありますが正確な利益を予測するのは非常に難しいことです。
しかし分かることもあります。例えば上記の例を償却期間3年のパソコンとして回収期間法で考えてみます。わからない利益額は利益A 利益Bとして考えます。そして回収期間が全く同じになる利益額はいくらかを考えてみます。
 
150,000÷(A+50,000) = 300,000÷(B+100,000)
これを分解しますとB=2×Aの関係になっていることがわかります。この事は高価なパソコンを買う人は、激安を買う人の2倍の利益を上げる必要があると言うことがわかります。誰に最新鋭のPCを持たせ、誰に激安PC持たせるか、うまく考えれば効率的な設備投資が出来るかもしれません。
 

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