レジュメイング
作成日 1999/5/27
改訂日 2001/1/2
Ver.1.5

 
TBSブリタニカ発行トム・ピータズ「経営破壊」より
>忠誠心にこだわるのはやめよう。少なくとも会社に忠誠を尽くすなどということは、やめたほうがいい。それよりも自分で開発した人脈を-自分のネットワークを-大切にすることだ。<
 
トム・ピータズはとにかく読者を挑発しようと刺激的な書き方をしており、言い過ぎな感じが多々するのですが、苦境の続く建設業界にはこれぐらい刺激的で攻撃的でないと何も変わらないのかも知れません。「経営破壊」の全体は別途記載していますので今回は何をすればいいのかについて紹介します。
 
●フリーランサーの思考様式を身につけろ
 
まず会社に勤める人は、独立した起業家精神をもてとしています。
 
>ふつうの働き手がただの捨て駒にされないためには、どうしたらいいのか。それには独立の請負契約者、フリーランサーのような考え方で行動することだ。あるいは、実際に独立するのもいいかもしれない。皮肉なことに、独立したフリーランサーの思考様式を身につけることで、今日の大企業のなかでもちこたえていく可能性がかなり高まる。そして当然のことながら、新たに自覚した独立志向の振る舞いは、当人だけでなく、上司の望むところでもあるのだ<。
 
実際にこの何年かの間に建設業界、特に大手建設業、大手の下請専門業者の間でリストラや企業の倒産が多く発生し、多くの人々が「ただの捨て駒にされる」可能性があります。これに人々が対応するためには「近い将来一時解雇され、復職の見込みがないと想定してみるのが、一番いいかもしれない」とまでピーターズは言っています。
 
バーミラ教授>「雇用の安定がもはや過去のものとなったことは、だれもが認識している。ただ実際にどのような状況にとってかわられたのか、分かっていない人が多い。自分のキャリアを組織任せにはできない。自分の力で切り開いて行くべきだ」
 
アップル>「辞めても他社に自分を売り込めることの出来る人間は、我が社でやっていける」
 
このようにピーターズは会社に居るにしても、独立するにしても「独立したフリーランサーの思考様式」を身につけないといけないと強調しています。それでは何をすればよいのでしょうか。
 
●レジュメイング(履歴書を書く)
 
ピーターズは独立したフリーランサーの思考様式を身につけるには、次の5つについて考えてレジュメイング(履歴書を書く)を勧めています。
 
1.自分は一体何をやっているのか
2.自分は実際に何を達成してきたのか
3.自分の業績を証人してくれる顧客はだれか
4.自分のもっている技能がその分野で最先端である証拠はあるか
5.自分に協力してくれそうな人脈を社外に開拓したか
6.今年末に書く履歴書は、昨年の履歴書と異なる内容を書けるか
 
履歴書をまとめてみて履歴書としてテイをなすか?履歴書としてさまになるか?これを常に意識して仕事に取り組むことを勧めています。特に「業績を証明してくれる顧客」「人脈を社外につくる」事がとても重要としています。これは従業員個人としてだけでなく、経営側の戦略としても有効です、「目標による管理(MBO)」を超えて上司は3ヶ月ごとに部下と一緒になって履歴書を見直し、次回の履歴書を書くのにふさわしいプロジェクトを企画する。この活動を通じて大企業であっても起業家精神の満ちあふれる会社にする変革する事ができると言っているのです。
 
●めざすは性格の一新?
 
では、実際に履歴書を書こうとすれば大抵の人は自分の無力さ、人脈のなさに愕然とするでしょう。筆者もそうです。来年の履歴書に書けるような仕事を自分で作り出そうと決心しても、そうは行かないのが会社というものです。「よけいなことをするな」と言われるのが落ちです。そこでピータズは
 
あまり生真面目にならず、人間には個人としてもグループとしても奇妙な側面があるのをおもしろがる気持ちをわすれなければ、今よりもっと、どんなことでもやってみるようになるだろうし、ばかな真似をして物笑いになる事を恐れずにすむ。世の中はどうせおかしなところなのだから、どうせならどっぷりつかってみようと、開き直るのだ
 
ピーターズは、どうせなら楽観的な性格に一新するようにしてみればどうかと言っています。そして3つの心構えをもってこのクレージな社会と戦えと言っています。
・「自学自習」を怠らないこと
・「なみはずれた専門能力」をめざすこと
・人脈の幅を広げ、層を厚くすること
 
更にリチャードパールの言葉を引用し「楽しく仕事しろ」と言っています。
 
だれかがお前にはそんな権限はないと言われるか制止されるまで、自分には絶大な権限があるのだと思いこむ事だ。自分の権限と行動の自由を自分で生み出さずに人の指図に甘んじていたら、少しも楽しくないし、大したこともやれはしない<
 
●まとめ
 
建設業界の現在は非常に厳しい状況です、特に大手に勤めていればたいへんなようです。建設cals/ecが進めば地場型ゼネコンも含めて更に厳しくなっていくでしょう。こんな厳しい状況に直面している人はピーターズの「経営破壊」を一読するのを勧めます。ピーターズはあとがきで「この本をよみはじめて30分のうちに怒り出さないようなら(略)私もこの本も、あなたにはまったくの役立たずだ」と言っていますが、この本がアメリカでうけたのがアメリカ復活の原動力かもしれません。とても勇気のでる本です。
筆者も建設業関係にほとんどの売上を頼っているため厳しい環境にいます。筆者はピターズの言っていることのうちまだ「生真面目にならず開き直る」事しかできていません。来年には「自学自習」し「なみはずれた専門能力」を身につけ、厚く広い人脈を作った「履歴書」を書けないといけません。

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