人員削減と経審
作成日 2001/6/15
改訂日 2002/3/4
Ver.2


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職員数について
この不況下ではリストラが必要になってくるので、職員数を減らさざるを得ない。ゆえに評点対象とするのはおかしいと思う。
建設関係
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というメールいただきました。そうですね厳しい環境ですから、、

職員数を減らした場合、経審にどのような影響を与えるか少し解説します。

まずX2評点(自己資本及び職員数の評点)に影響を与えます。
職員数÷年間完成工事高(億円)×100
で計算した結果を表にあてはめて評点を算出します。
職員数が減って、売上が変わらなければ評点は下がります。
しかし評点割合が低いため大幅に総合評点が下がると言うことはないでしょう。

次にZ評点(技術職員数)に影響を与えます。
1級5点 2級2点 その他1点で資格別に評点を与え表にあてはめて点数を算出します。よって1級の方がやめると大きく評点が下がります。
こちらは評点割合が高いため大きな影響を与えます。
この2つの評点と売上高の評点は経営規模を見ているわけですので、リストラなどで規模縮小を行うと評点低下を招く可能性があります。

そこで平成10年これを緩和するため2年平均、3年平均など選択することができるようになりました。また売上高、技術者の評点は評価割合を相対的に低下させています。

次に影響するのは、財務内容の評点Yです。こちらは相対的に評価割合が高くなっています。
リストラをするという事は、財務内容が悪い、又は悪くなると予想されているからです。よって技術者数評点が下がるので職員数は減らさないという事をすると、評点Yが低下して結局経審評点は下がってしまいます。

人員削減を行った場合の経審への影響の結論は、技術者評点が下がる、財務評点が上がる(維持する)、職員数評点はそれほど影響しない。基本的にこう考えて具体策を練るとよいでしょう。

この問題は各企業様々で一般的な対応策の答えは出せませんが、長期的にみると、財務内容が悪くなれば、経審が下がるどころか倒産する可能性が高まりますので、財務内容改善のために人員削減も早めに手を打つべきだと考えます。

経審をよくするためには色々なテーマがありますが、どういう経営をすれば財務内容が良くなるかこの点を中心に置いて考えると良いでしょう。

経審評点を上げるためコストダウン経営やめよう( 2002/3/4追記)

2002年予想以上のスピードで公共工事発注量減少が起こっています。明らかに問題のある社員は既にリストラされているでしょう。

この環境変化に対応させて上記内容をVer.2に改訂します。

「多額の設備投資借入金がある」かつ「金融機関の協力が得られない状態にある」こういった状況に陥っているケースでは、経審を考えている状態ではありません。

この場合経営者としては最大限自身を守る事を考えなければなりません。不渡りを出して倒産しない事が最も重要な課題になります。

ここまで状態が悪化していない企業は以下を読んで評点向上策を考えてください。

経審評点を上昇させるためにはコストダウンを中心とする経営はやめるべきと考えます。

自社の社員が効率化したり、ユンボなど機械稼働率が高まると、工事ごとの原価計算上利益が増えます。
稼働率が高まれば他の工事にその人を振り向ければ会社全体の利益が増えます。
しかし今の発注が大幅に減少している環境では会社全体の利益は増えません。その人に振り向ける工事がないからです。

この環境で、会社全体の利益を増やすためには、社員を減らす首切りリストラを敢行して固定費を削減しなければ利益は増えません。
しかし経審は、利益だけによって評価されていませんので、評点は改善されません。

しかも自分の目で現実の中小建設業者をみていると、首切りリストラした後ほとんどの企業が、更に経審評点が下がるという悪循環にはまりこんでいます。

何故このようなことになるのでしょう。

首切りリストラしても売上は増えません。売上高を増やそうとする戦略ではないからそれは当然です。このため売上高評点は上がりません。

その上でコストダウン経営をすると、社員が改善など頑張って効率化するとどうなるでしょう。

社員が改善効率化→原価計算上利益増加→固定費なので会社の利益は増えない→首切りリストラ敢行

こうなります。こうなると社員は改善効率化すれば一緒に頑張っている社員の誰かが解雇されるという現実に気づきます。自分が頑張って効率化すると一緒に働く人が解雇される、、、ばからしいので誰も改善しません。

そうなると、先の流れの続きは

首切りリストラ環境→社員のやる気益々減退→会社の利益は増えない→首切りリストラ敢行→社員のやる気益々減退→以下延々

と縮小均衡して、会社はどんどん小さくなります。経審評点は雪だるま式に悪化していきます。

解雇しなければ利益が出ないコストダウン経営では、社員のやる気がなくなって評点向上につながらないことをよく考えておかなければなりません。

現在の売上高減少局面では、売上高を増加させる戦略を何よりも優先させる必要があります。

営業努力による新規顧客開拓以外に、新しいサービスを付加して売価を低下させないマーケティング戦略が必要になります。

技術部は原価計算・実行予算上のコストダウンよりも品質向上・工期短縮によって営業部が受注しやすい環境を作り出すことに専念する必要があります。

例えば10人工でする仕事を8人工で出来るよう改善すれば原価計算上は利益が増加します。
しかし、10人が自社の社員の場合固定給である給料を払わなければなりませんので現実の会社の利益は増えません。

こういった事を考えれば、8人工に改善して原価計算上の利益を増やすという事を工事部が考えていても経審評点は上昇しないのです。

現在の環境では、改善しても10人投入して工期短縮を図った方が工期短縮技術アピールによる営業力アップにつながります。こういった工事部の活動を阻害する方針がある場合はすぐやめなければなりません。

現在の環境では、リストラによる評点向上はムリです。
経審評点アップのためには営業部だけでなく会社全体で売上高評点増加策を考える必要があります。
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