コスト・雇用のトレードオフ
作成日 2001/10/21
改訂日 2002/2/8
Ver.1.5

[コスト・雇用のトレードオフ]

木曜日郡上の方々、太田さん、桃知さんと色々な話がでておりとても楽しかったのですが、その中の話でコストダウンの重大なトレードオフを感じました。

私はコストダウンしなければという話ばかりするのですが、あまり建設業界でコストダウンの話をすると嫌われます。

色々な改革の話が業界でもいわれていますが、「安く、早く・良い構造物が提供される」結果になることが改革の目的です。ですのでコストダウンは必須の目標になるはずです。

よい経営・IT化・業務の標準化・建設労働者の失業対策・発注方式の変更・公正な競争などはすべて目的ではなく「安い・早い・良い」を実現する手段です。

なのに何故コストダウンがタブー視されるのか。

経営の目標には、お金を儲けて、経営者を含めた社員全てが幸せになると言うことが当然あります。それを実現するためには、雇用を維持する、給料を維持する、給料を上げるという事が必要です。

お金を儲けるためには普通コストダウンして競争にうち勝たなければなりません。
建設業界でのコストダウンは、外注の叩き、賃金カット、人手減らし等、労務費カットが中心と考えられています。

そうするとコストダウンには人の生活が犠牲になるためあまりやりたくないと感じるのも当然です。「給料を上げる」「賃金カットする」この二つは絶対に両立できず矛盾しているからです。

TOC制約条件の理論、思考プロセスでは対立・トレードオフと思える事は、考え方と前提を見誤っているからおこるとしています。
見方を変えれば対立した概念でなく両立可能になるはず。まずは対立をなくしてしまおうと考えるわけです。

「従業員の生活を豊かにする」こと「安い構造物を提供する」これはあきらかにどちらも必要なことです。対立しており両立できないと考えてしまう「考え方の前提」からもう一度見直す必要がありそうです。


他の業界特に製造業はコストダウンの為に行動するのが常識ですが、考えてみると製造業の人件費・雇用数が50年前から比べて減っているわけではありません。むしろ増えています。
しかし結果としては大幅なコストダウンが行われており、普通の国民が電化製品・車・PCなどを買えるようになっています。

松下電器の松下幸之助の考え方では、解雇はやってはいけない事になっています。日本の製造業は基本的に年功序列・終身雇用による人事を行ってきました。

欧米の考え方「TOC制約条件の理論」でも生産性が上がれば従業員を解雇するようなポリシーを持っている企業では改善はおこらないと解雇を否定しています。

現在製造業ではこのような終身雇用的ポリシーの限界が叫ばれていますが、今までは結果としてコストダウンと雇用拡大・給料UPが両立していたわけです。

製造業では決してコストダウンと雇用がトレードオフの関係にはなっていません。何故製造業ではそうなったのか?そこをもう一度考える必要がありそうです。

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