価格の決定(経済学から)
作成日 2001/4/27
改訂日 2001/8/12
Ver.1.5

価格決定者

価格の決定について経済学の観点からみてみます。

経済学で言う完全競争社会では、価格は生産者が決めることはできないという結論になっています。

例えばどこにでもある缶コーヒーを露店で売る商売をするとしましょう。
缶コーヒーを自動販売機などが沢山ある街中で売る場合、値段をいくらにするでしょうか。
今市中で缶コーヒーは120円で売られています。ですので500円とか130円とかで売ってもまず間違いなく売れません。よって最も高く売ろうとすると120円で売ることになります。

販売者が値段を決められないわけです。

これを更に見てみると、例えば自動販売機が無料で、缶コーヒーは50円で誰でも仕入れられるとします。(参入障壁が全くない状態)

この場合、缶コーヒーを売れば120ー50=70円利益がでますので自動販売機で売ろうと誰しもが思うでしょう。
そこで110円という値段を付けて商売を始めてみます。普通の価格120円より安いのでどんどん売れて儲かるでしょう。
しかし隣の家の人がそれをみれば自分もやろうと思うでしょう。隣の人はそこで100円で売ります。隣の家はどんどん売れて儲かるでしょう
。では自分も値下げだという事で、90円にし、隣はまた80円にと競争が繰り広げられます。
完全競争社会では価格は仕入値50円になるまで下がっていきます。
(販売者は50円以下では利益がでないので誰も売りません。)

この流れをみると、誰でも商売を始められ、誰でも買うことができ、誰でも情報を完全に知っている完全競争社会では、生産者は価格を決められないし、価格は費用と一致する所まで下がると言うことになります。

この事は誰でもできる当たり前の仕事をしていると、価格=費用の所に落ち着くので儲けることはできないと言うことを示唆します。

「価格=費用」の費用には仕入値だけでなく、人件費も含まれます。
当たり前の物で商売して競争がおこると、価格=原材料費+生活最低賃金に落ち着くことになります。最低賃金額時給700円位になるでしょうか。最低賃金まで下げられないと赤字が発生することになります。


●独占的競争


しかし実際には利益を上げている会社沢山ありますし、価格を幾らにしようかと考えさせられることは良くあります。。これを説明するのに独占的競争という考えがあります。

例えば普通の缶コーヒーを売るのでなく、特殊な飲み物を売るとするとどうでしょう。例えばこれを緑汁とします。緑汁はおいしいと評判の物で、あなたしか作れないとします。

この状況になると価格は自分で決められます。1万円にしてもいいし、150円にしてもいいでしょう。
まぁ1万円にすると欲しいけど我慢して缶コーヒーにしとこという人が現れるので、なるべく高い値段で、沢山の数が売れる(利潤が最大になる)価格を調査して値決めをすることになります。こうして利潤は生まれるわけです。つまり独占によって利潤を上げられるわけです。

しかし時間がたって利潤を上げている企業があると、そんなに緑汁は儲かるかという事で、なんとか緑汁に似た製品を開発しようというライバルが現れます。そして開発して緑汁より安い値段で売ることになるでしょう。こういった企業が沢山現れ結局利潤がない所まで価格は下がっていきます。(独占的競争状態)

つまり先行者が後発に追いつかれるまで(差別化出来ている時まで)が利益を上げられる時と結論づけられます。

追いつかれると緑汁を売っていたあなたは新しい工夫をしなければなりません。茶汁の開発をしたりし工夫を続けなければ利潤は得られません。

このことはイノベーション(工夫)が独占を生み、利潤を生み出す要因の全てである事を示しています。

実際の日本の企業活動を見ると、独占的競争が行われていますが、正社員の賃金をどんどん下げるという事ができません。(賃金の下方硬直性)
これが赤字を生み出す大きな原因になります。

社員の給与は予想された利潤を含めて支払を行っています。このことは社員は物や機械と違って「工夫する者」だと考えられているからです。もし工夫しない社員がいると競争により企業は淘汰されることになります。
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