コストコントロール
作成日 1999/5/28
改訂日
Ver.1


 
売上高が低迷する時代に利益を上げるためには、原価を管理するコストマネジメントを行う必要があります。原価を管理するためには、実際の原価を計算するほかに直接原価計算、標準原価計算があります。予算を立てて実際との差を比較検討しコストをコントロールする手法です。
 
建設業で事前に原価を測定する場面は、見積原価(注文獲得のために計算するもの)予算原価(工事の採算を計るため計算する)標準原価(目標値をたて原価を管理することによりコストダウンをはかるもの)の3つがありますが、ここでは標準原価計算についてとりあげます。標準原価とは原価要素の消費量を調査し目標を作成したものです。標準原価計算とは、原価の目標数値を予定価格でもって計算した原価と実際の原価を比べる事によりコスト管理を行います。
 
●工事実行予算
 
建設業は、工事ごとに条件が異なるため工事ごとに予算と実際額の検討を行わなければなりません。そこで工事ごとに予算書作成のチームを編成し、見積書との違いを検討しておき、見積書から組み替え、関係者に伝達調整を行います。この作成段階でコスト削減の意識付けを行い、進行中にコストのチェックを行ってコスト・コントロールを行うわけです。実行予算では、仮設工事、土木工事、コンクリート工事などの工事別原価だけでなく、材料費、労務費など形態別原価も検討しておく必要があります。
 
工事実行予算表
  材料費 労務費 外注費 経費 合計
受注高          
仮設工事費          
土木工事費          
鉄筋工事費          
         
(工事原価計)          
        (工事総利益)  
        営業費  
        ( 営業利益)  
        資金利息  
        (差引工事利益)  
 
 
 
●予算差異分析
 
●直接材料費差異分析
 
材料費の予算を立てたあと実際にかかった材料費を集計しその差を分析することにより原因を究明します。材料費差異は、「標準材料費 - 実際材料費」ですがこの原因は材料購入での差と、使用量による差の2つの原因があります。
価格差異=(標準価格 - 実際価格)×実際消費量
数量差異= 標準価格 ×(標準消費量 - 実際消費量)
 
●直接労務費差異分析
 
労務費の差異は、「当月の標準直接労務費 - 実際直接労務費」です。この原因は賃率の場合と作業時間の場合があります。
 
賃率差異=(標準賃率 - 実際賃率)×実際作業時間
作業時間差異= 標準賃率×(標準作業時間 - 実際作業時間)
 
●外注費差異分析
外注費の差異は、契約単価が問題の場合と工期が問題である場合があります。
 
契約単価差異=(標準契約単価 - 実際契約単価)×実際工期
工期差異=(標準工期 - 実際工期)×標準契約単価
 
●現場共通費差異分析
現場共通費差異は、「標準配賦額 - 実際発生額」になりますが、原因は3つ、予算、能率、操業度が上げられます。
 
予算差異=実際操業度における予算-実際発生額
能率差異=標準配賦率×(標準操業度 - 実際操業度)
操業度差異=固定費率×(実際操業度 - 基準操業度)
 
この様に予算と実際の差を分析していき原因は何だったのかを把握していきます。原因を究明する事により調達部門に原因があったのか、施工部門に原因があったのかを把握し、それぞれの部門の、3M(人・機械・材料)に無理、無駄、むらがなかったかを洗い出します。経営者や間接部門は、問題のある部門を支援する方法がないかを検討します。
これを繰り返し実行していく事が原価管理とよばれる手法です。
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