2022/01/17

TOC思考プロセスコース-実践!クリティカルシンキング-PR

(株)エーラボ  西原隆

フェイクニュースに踊らされる息子。。

息子が中学生になりました。晴れてスマホデビューです。
ただ、ずっとスマホを見ている息子を見ていると少々心配。
「もっと勉強せーよ」と。

最近の新型コロナウイルス感染症は、うちの家族含め様々な人に大きな影響を及ぼしていますが、ちょっと困ったことが起こりました。

特に困ったのは、息子がワクチンを打つのを嫌がる事。
なぜ?と聞けば「ワクチンは意味がない」というのです。
なぜ?悪い友達でもできたのか?と思って聞くと
「YouTubeでそう言ってた」と、、、
YouTubeなどSNSを使えば、様々なニュースが素早く見られます。
「ワクチンはこういう人はうたない方が良い」と言った科学的な参考になる意見もありますが、残念なことに、だましたり、あおったりしている物が多数あります。

息子が、こういったフェイクニュースにとらわれてしまっては大変です。
スマホを取り上げるわけにもいかないし困ったものです。。

フェィクニュースに踊らされないためには

さて、普通の大人はこういったフェイクニュースに惑わされないことが多いのですが、なぜでしょうか。子供と大人の違いは何でしょう。

私はTOCという経営理論のコンサルタントをしています。その中でもTOC思考プロセスというものがあり、5月12日からオンラインでTOC思考プロセスコースを開催させて頂きます。

この研修の中で、箱と矢印で考える方法を解説します。この方法を身につけると素早くフェイクニュースの間違いを気づくことができ有用と思っています、今回はこれを紹介しましょう。

説明すると長くなりますので、例を使って説明しましょう。

フェィクニュースではありませんが、NHKの「ロンリのちから」という番組で論理がおかしい簡単な例が紹介されていました。

「13日の金曜日だから怪我をした」

この主張がおかしい事を箱と矢印を使って検証してみましょう

1.原因と結果の箱を埋める

この主張は、「13日の金曜日」だから「怪我をした」と原因と結果を主張しているのでしょう。この原因と結果をわけて赤い箱にうめてみます。

 

2.原因と結果を具体化する

フェイクニュースは、短い文章で書かれていることが多いのが特徴です。ながながと説明する文章は読まれませんし、Twitterの文字数制限(140文字以内)にひっかりますので、短く省略して抽象的に書かれているのが特徴です。

抽象的な言葉を検証するのは難しいので、この主張を、具体的にしてみます。

たしか13日の金曜日は、キリストがはり付けにされた日でしたよね。だから不吉な日だったかと。具体的に書くと「昨日は13日の金曜日で不吉な日であった」となるでしょう。
だから「私が怪我をした」のだと。

このように考えていき、主張を具体的にして、黄色い箱に書きます。

3.予見される別の結果を箱に書く

次のステップは、この原因の箱から引き起こされる「別の」結果がないか考えてみます。
先ほどの「私が怪我をした」という結果以外の当然起こりそうな「別の」結果です。

ちょっと考えてみます。

もし、「昨日は13日の金曜日」は、怪我をしたその人以外でも世界中同じです。とすると、世界中の人に何かが起こるはずではないでしょうか。全世界の約70億人が怪我をする? まぁそこまでなくても、何人かは同じように怪我をするのではないでしょうか。

黄色い箱に「他の多くの人も怪我をした」と書いてみます。

 

4.別の結果が存在しているのか考える。

次は、追加した別の結果が本当に存在しているのか考えます。TOCを開発したエリヤフ・ゴールドラットは、あるかないかの検討には2,3秒で済むといっています。

「他の人も怪我をした」怪しいですね。そんな話しテレビのニュースでやってませんでした。

そうすると、彼が主張する「私が怪我をした」を引き起こす原因であった黄色い箱は本当だろうかと疑問がわきます。
ある原因があれば、当然、引き起こされるはずの結果が存在していない。
となると、この原因は本当に存在しているのか怪しいと気づかされます。

つまり「13日の金曜日だから怪我をした」という話しはおかしいな。と検証できます。

5,正しい原因を考える

「13日の金曜日だから怪我をした」が嘘だとすると「怪我をした」本当の原因はなんだろうかを緑の箱に書いて、考えていきます。

これは難しいですね。「13日の金曜日は不吉」だと考える事自体は間違っていないのかもしれない。しかし、怪我の原因とはいえない。さて、

本件の真の原因を考えられるのは、本人でないとわからないでしょうし、専門知識のある人でないと難しいでしょう。
しかし、ここまでの思考の流れ、つまり、このような思考プロレスによって変な話しの間違いに気づけるようになるでしょう。

今回の例は、あえて簡単な物にしてみました。様々なフェィクニュース?と思える物をこのフォーマットに書き込んでいけば検証できます。今回紹介したフォーマットはパワーポイントでダウンロード可能にしております。この中には、このプロセスを使って検証した他の例として「PCR検査は普通の風邪も検出するので、新型コロナウィルス陽性者が多い」「新型コロナウイルスは26~27度のお湯を飲むと予防できる」とか、「アニメばかり見ているから成績がわるい」といったものを検証する例も掲載しておきますのでご参考にしてください。

ダウンロード:ロジックブランチCLR7format

TOC思考プロセスオンライン研修

ここまで紹介した考える方法は、TOC思考プロセス「ロジックブランチ・CLR7予見される結果の検証」と呼ばれる方法で、今回研修で紹介するものの一つです。

以上の思考の流れは、科学者が実践している思考の流れだそうです。まぁ、ここまで深く考えなくても自然と皆している方法かと思います。このような大人の思考方法を、子供に教えられれば、フェイクニュースに騙されないちゃんと考える力を身につけられるでしょう。

先ほどの思考の流れは複雑ですが、例のように箱と矢印の図を使う事で簡単にできるようになります。繰り返し練習すれば身につけられるでしょう。

しかし、私たちはこのように自然に行っている思考の流れを子供に説明し、ちゃんと教えられるでしょうか。いや、教えるどころか、自分も含め、大人でも、ちゃんと考えて、お客様・上司・仕事仲間とコミュニケーションを取れていますでしょうか

今回5月12日よりTOC思考プロセスを解説するオンライン研修「TOC思考プロセスコース」を開催することになりました。これは私たちが実践している思考方法を、わかりやすく、明確にして解説するコースです。

さきほど紹介したものは、TOC思考プロセスの論理のチェック方法の一つで、全部で七つあります
また紹介した図はロジックブランチと呼ばれるもので五種類の図のうちの一つです。
今回の研修では、これらを全てをなるべくわかりやすく解説させて頂きます。

今回のオンライン研修では、まず体系的にTOC思考プロセスとはどんなものか理解していただき、具体的にはどんな場面で、どのように活用され成果を出しているのかをご紹介したうえで、演習を行います。

2時間を4回で合計8時間と限られた時間しかありませんが、できるだけ分かりやすく解説し、使えるTOC思考プロセスを知って頂きたく思っています。
オンライン研修「TOC思考プロ レスコース」是非ご参加を検討頂ければ幸いです。

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TOCって何?

そういえば、ここまで、TOCって何か説明していませんでしたね。
TOCとは、ベストセラー小説ザ・ゴールで有名になった経営理論TOC(制約条件の理論)
ザ・ゴールで描かれているような工場の変革から出発し、約40年かけて、生産管理、設計開発などプロジェクトマネジメント、物流などサプライチェーンマネジメント、提案営業、経営戦略立案など経営全般の変革に活用される経営理論に進化していきました。

活用する企業は、事例発表されている所では、日立製作所、シャープ、マツダ、オムロン、NTTデータなどなど日本を代表する企業で活用されています。

企業でTOCを活用する実践者やコンサルタントはTOC-ICOとよぶ国際団体で世界中の人達が交流し、更なる成果を目指し、切磋琢磨しています。

TOC思考プロセスって何?

TOCは様々なツールが用意されていますが、その一つが、今回の研修で解説するTOC思考プロセスです。これは、ビジネスの関係者と協議して納得づくの変革を実現するためのコミュニケーション・思考ツールです。最近は、企業だけでなく、教育の現場でも活用されるようになっています(教育のためのTOC)。
教育のためのTOC(TOCfE)は国際組織があり、日本ではNPO団体である日本支部が組織され学校の講師等様々な人が事例発表など交流しています。

 

 

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筆者 西原隆略歴

  • 1971年神戸市生まれ。学生時代はプロレスが好きでした。尊敬する選手は前田日明
  • 2004年よりTOCコンサルタントとして主に開発部門の改善支援に従事
  • 2010年書籍「TOC/CCPM標準ハンドブック」を出版。
  • 2014年TOC-ICO in WashingtonDCにてSales Buffer management Starting from Mafia Offer 発表
  • 2016年東北大学にてR&Dマネジメント担当講師を務める。
  • 2016年日科技連SQiPにおいて、「マルチタスクが「QCD」を奪う!~日立グループ1000人に広がる働き方改革6ヶ月プログラム~」論文発表。
  • 2018年に株式会社エーラボを設立。TOC導入支援コンサルティングや研修を実施 (現職)
  • 有資格:中小企業診断士・ TOC ICO 登録ジョナ・認定スクラムマスター・Scrum@Scaleなど

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